Q.内容証明郵便が逆効果/使うべきでない/使うとまずい場合を教えて下さい。

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Q.内容証明郵便が逆効果/使うべきでない/使うとまずい場合を教えて下さい。

以下のような場合は、内容証明を利用することにより、逆に問題をこじらせ、更なるトラブルの原因となったり、自分が不利になる場合があるため、十分に注意して下さい。

(1)トラブル解決後も相手と親しくお付き合いをしたい場合
(2)相手が誠意ある対応をしている場合
(3)相手に本当に返済資金がない場合
(4)曖昧で今後の戦略が考えられていない内容の場合

(1)トラブル解決後も相手と親しくお付き合いをしたい場合
内容証明は、相手にこちらの強い意思を見せて心理的プレッシャーを与える効果と同時に、相手を威嚇して怒らせてしまう両刃の剣となる可能性を持っています。

そのため、家族や友人、トラブル解決後も相手と親しくお付き合いをしたい場合に、内容証明を送ることは望ましくない場合が多いでしょう。
しかしながら、いくら相手と継続的に良好な関係を保ちたいといっても、
・後々争いが発生しそうなとき
・養育費などを巡るトラブルなどでははっきりさせるとき
・DVに対処するために配偶者に強い意思を見せるとき
・友人の行為がストーカー行為に該当することを知らせるとき
・その他相手にはっきりと意思を知らせるとき
など、通知の存在・通知内容・日付が重要になるときは、家族や友人でも内容証明を出すことが必要になります。
この場合は、相手の心証を悪くしないように、予め内容証明を送ることを相手に伝えておき、その内容も出来る限りやわらかい表現にしておくことが望まれます。

(2)相手が誠意ある対応をしている場合

相手方が、責任や債権債務を認め、対応や返済について誠意ある対応をしている間(対応が間に合っていなくとも、トラブル解決の為に努力しているとき)は、相手と話し合いで解決したほうが良く、内容証明郵便の利用は望ましくないと考えられます。

例えば、穏便に済ませられるはずだった相手に「もし誠意ある対応がなければ、不本意ながら法的措置も辞しません」と記載された内容証明を送った場合、
「対応する予定だったのに、こんなことまでするのか。」
「絶対に対応しない。裁判になるなら望むところだ。」と憤慨させたり、相手の心証を悪くしてしまう可能性があります。

こうなってしまうと、相手も向きになって、対応してくれたり、支払う予定だったものも実施してもらえず、裁判になったり、逃げられたりと逆効果になる可能性がある点はご留意ください。

(3)相手に本当に返済資金がない場合

相手に本当に倒産しそうな場合や返済資金がない場合は、以下のような対応により、内容証明が逆効果になる場合があります。

・強制執行(取り立て・差し押さえ)を受けると思う

 ↓

・財産の処分を始める
・財産隠しを始める(別名義に)
・逃亡する/連絡が付かなくなる

このような場合(相手が限界状態にある場合)には、内容証明を利用せずに、事前に相手財産を調査し、最初から仮差押えなどの法的手段を取ったほうがいい場合もあります。

(4)曖昧で今後の戦略が考えられていない内容の場合

内容証明は、自分にとっても証拠になりますが、相手にとっても証拠になってしまいます。
そのため、内容証明を利用し、意思表示をすることで、今後自分が不利になることがないか、よく「相手(性格も含む)」・「内容」・「送付時期」を熟考する必要があります。

・時効が成立していた債権の返事をしてしまう。
「(15年前の時効が成立していた)100万円の貸金を返してほしい」と言われて、
「一括では支払えないが、5分割で返済します。」と内容証明で送った場合、
相手の債権を承認したことになり、時効によって相手の債権が消滅したことが主張できなくなります。

・表現が脅迫を帯びている場合
「これ以上妻と交際するならば、どうなるかわかっているな」
「慰謝料を支払わない場合裁判をしますが、いろいろバレてしまいますが、それでもいいのですか」
などと記載し、その表現が脅迫を帯びている場合、内容証明の差出人に刑法上の脅迫罪や恐喝罪が成立しかねないのでご留意ください。

・相手に準備期間を与えてしまう場合
自分に有利な法律的条件が整う前に、内容証明を送ってしまった場合、相手が証拠隠しや法的対策をされてしてしまい、その後の裁判等に不利に働く可能性があります。そのような事後のことも踏まえて(相手方の対応を予想して)、内容通知を作成・送付しましょう。

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